Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

スポーツ選手が個人で進める脱炭素、 渡部暁斗選手の「カーボンオフセット」から学ぶこと

 

「氷河は消えうせる運命にある」 ......、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が警告しているといいます。

 世界遺産内の多数の氷河が、2050年までに消滅する可能性が高いそうです。

キリマンジャロの氷河、消滅も 世界遺産への温暖化の影響調査―ユネスコ:時事ドットコム

 ユネスコが公表した報告書で、米イエローストン国立公園やアフリカのキリマンジャロ国立公園などがそうした危機にあるといいます。「産業革命前と比較して気温上昇が1.5度を超えなければ、2/3の世界遺産内の氷河を救うことは可能」と説明しているといいます。

 

 

 ノルディックスキー複合日本チームのエース 渡部暁斗選手もこうした現状に危機感を抱き、行動を始めたといいます。

 競技や移動時に着用するヘルメットや帽子に入れる広告を活用して、「カーボンオフセット」の取り組みを始めるそうです。

雪不足に危機感、スキー複合のメダリスト渡部暁斗が行動「間違いなく自分たちは岐路に…」:時事ドットコム

「秋のトレーニングで訪れる欧州でも、氷河が年々小さくなり、コースが短縮されたり、以前のように練習できなくなったりしつつある」、「競技環境が将来、地球温暖化によって損なわれていくかもしれない」......、こうした現状を危惧し、それが動機になっているようです。

 W杯開幕戦から来年8月末までの広告料を全て、長野県の森林再生を目的とする取り組みに充てるといいます。

募集を始めて1カ月ほどで「いくつかの問い合わせを頂いた」。広告を出せるのは一つだが、それ以外のスポンサーとも環境に配慮した製品の考案やイベントの企画など、一緒に進められる活動をしていきたいという。

注目度が高い現役選手であるうちから、こうした活動をすることの意義を強調した。(出所:JIJI.com)

 温暖化が進行していけば将来仕事の糧を失うことになりかねない。そうした危機感もあるのでしょうか。渡部氏なりの「カーボンオフセット」活動は、私的な利益のために公的利益を追求しようとしているようにも見えます。

 

 

 一方で、日本経済全体が「おじさん文化」そのものに浸食され、時代遅れとなり、そこに経済低迷があるのではないかとの意見があるようです。

首相が42歳の英国に程遠い「おじさん日本」の絶望 | 商社マン流 国際ニュース深読み裏読み | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 記事は、「おじさん文化」を、「上下関係を重視し、部下に服従を求める」「過去の(成功)体験にしがみつき、自分の判る範囲のことしか許容しない」「同調を求め、異物を排除する」「群れることを好み、ロジックよりも根回しや人間関係を重視する」と定義します。

 社会全体が明確な危機意識を持ち、「おじさん文化」の打破を促していくかなければ、日本経済が持たないと主張しています。

「会社人間」から「仕事人間」になろうとの意見もあるようです。

「おじさん文化」に染まってしまったなら「会社人間」ということなのかもしれません。それよりはその文化を利用して、為すべき事を成した方がよいのかもしれません。

 スポーツ選手でありながら、「カーボンオフセット」に挑戦する渡部氏を見てはそう思います。やってみれば思った以上にうまくいくのかもしれません。

 

 

 自分の経験においてもそういことがありました。フランクに会話していた先輩諸氏がやがて昇進の階段をあがり、部長や幹部候補生になったときに、こちらが従順な部下になるべきだったのかもしれません。そうした意識に乏しく、これまで通りに納得できないことには異議を申し立てることがしばしばありました。今にして思い出せば、先輩諸氏は経営との板挟みになっていたのかもしれません。やがて彼らは職場を去って行くことになりました。「異物として排除」されたのだろうと想像できます。

 あるとき新たに赴任してきた上長に「根回し」を進められました。人間関係を重視する人だったようです。ただ、そのおかげ意思決定する経営側と直接会話することになり、逆に仕事がスムースに進むことになりました。「おじさん文化」も使い方次第のような気がします。

 ただ常に順調ということはありません。その後異動した部署の長も「人間関係を重視」していましたが、逆に出来上がっていた関係の中に入るのに苦労しました。

 一方で、信頼された経営側からは極秘にその長を何とかしろといわれましたが、こればかりはなかなか捗りませんでした。それでは仕事の成果の評価もそれなりになってしまいますし、満足感もありません。そのときは待遇面で足踏みしていました。仕事人間に徹するべきだったのでしょうが、「おじさん文化」にそまった時期だったのだろうと思い出します。

 

「参考文書」

50代、「会社人間」から「仕事人間」になろう: 日本経済新聞