迎春、2023年を迎えました。 天皇陛下が年頭にあたり、文書で感想を公表され、「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります」と結ばれたそうです。ぜひあって欲しいと願わずにいれません。
天皇陛下が新年の所感 「希望持って歩める年に」: 日本経済新聞
昨年、沖縄が本土復帰50年を迎えたことに言及され、「沖縄戦で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、平和の大切さを改めて心に刻みました」と回顧されたそうです。また、世界各地で続く紛争で多くの命が失われていることにもふれ、深い悲しみを覚えるとし、「国際社会において、それぞれの立場の違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力し合うことの大切さを強く感じます」とつづられたといいます。
平和という基盤の上に立ち、近隣諸国との交流を深め、また経済においては途上国とともに気候変動問題の解決に向け協業を進めていくべきなのでしょう。避け得ない対立には同じ土俵に乗って対立を助長するのではなく、対話とともに、途上国との協力関係などを通じて平和的な姿勢を示し続けるべきではないでしょうか。
日本政府も国民の象徴である天皇陛下のお言葉を真摯に受け止め、政治に活かすべき時なのかもしれません。そうでないと、政治の劣化から日本の衰退に歯止めがかからなくなりそうです。
日本に愛想が尽きる
「トヨタは日本を諦めつつある」との話があります。
トヨタは日本を諦めつつある 豊田章男社長のメッセージ:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
日本のマスコミと日本の政治家相手に、真面目にカーボンニュートラルを進めようとしても、どうせ理解されない.......(出所:ITmedia ビジネスオンライン)
それではエネルギーロスし、消耗してしまう。だったら、トヨタの努力を本当に喜んでくれて一緒にカーボンニュートラルに取り組んでくれるタイと一緒にやる方が、双方に幸せなんじゃないだろうかという気持ちがトヨタにはあると記事は主張します。
どこまで正確は定かではありませんが、まんざら否定もできないような気もします。対話を拒まれ、協力関係が築けないのであれば、どう頑張ってみても日本社会には貢献できない。そんな日本に多額の税金を納めても有効活用されなければ、日本に存在する価値もないと思えてしまうのでしょうか。
記事は本社機能を北米とタイに持つのではないかといいます。現実化することはあるのでしょうか。
熱を帯びる東南アジアでの脱炭素
一方タイなどを含めた東南アジア各国が公共交通機関の脱炭素化を進めているといいます。タイでは3年以内に首都バンコクの路線バス全てをEV電気自動車に切り替え、インドネシアやベトナムも同様な施策をとるそうです。
東南アジア、公共交通で脱炭素化 タイはEVバス3200台: 日本経済新聞
記事によれば、異常気象による洪水や干ばつなど地球温暖化の影響を大きく受ける東南アジアで温暖化ガスの排出量削減への本格的な取り組みが始まっているといいます。
東南アジアが積極的に、合理的に脱炭素が進めるのであれば、そちらと緊密して協力し、そこから持続的な成長につなげていくのが得策にも思えるのかもしれません。
日本は衰退するのか
米投資銀行のゴールドマン・サックスのリポート「2075年への道 世界の成長鈍化も収斂は続く」の予測によると、日本のGDPは現在の3位から、30年に4位、40年に5位、50年にはインド、インドネシアにも追い抜かれ、6位に後退しじり貧となって、2075年に12位まで後退するそうです。
2075年の日本、GDP12位に後退 経済大国から脱落予測: 日本経済新聞
記事は少子高齢化と政府債務を問題と指摘しています。予測が的中することはないのかもしれませんが、この先の成長が期待できないのであれば、政府はGDPのような経済の規模を追うことはやめにして、こうした課題や賃上げなどを優先させて解決すべきなのでしょう。
課題が明らかになっているのにおざなりにして、他のことに一生懸命になって課題が解決される事例などないのでしょう。こんな悪習から抜け出るきっかけとなる1年になって欲しいものです。
「参考文書」