EV 電気自動車などを手がける中国の「BYD」が、SUV スポーツ用多目的車の販売を始めたそうです。
「BYD」は、米テスラに次いで、EVの世界販売で2位に成長し、今後、日本市場の開拓にも力を入れるといいます。
中国BYDが日本でEV販売を開始 20店舗オープン - 産経ニュース
このご時勢にあって、中国のEVがどこまで浸透していくのか気になります。
記事によれば、販売開始に合わせ、20店舗をオープンさせ、令和7年末までに全国に100店舗以上にしていく計画といいます。
牙城
一方、トヨタ自動車の昨年2022年の世界新車販売がグループ全体で、3年連続で首位となったといいます。販売台数は前年比で微減だったそうですが、独VW フォルクスワーゲンを抑えての首位だったといいます。
トヨタ、世界販売3年連続首位 22年1048万台: 日本経済新聞
記事によれば、HV ハイブリッド車などの電動車の世界販売は伸びたそうですが、EVの販売は2万4466台にとどまっているといいます。VWが57万台のEVを販売している実績から大きな差が開けられているといいます。
EVがこれからは主流との声が日増しに高まっています。全方位戦略を取るトヨタへの風当たりが強くなっているようです。
「企業は社会が必要としなければ長期的に存在していくことはできません」。
トヨタの動向が気になります。時流を読み違えれば、世界販売首位の地位も危うくなりそうです。
社長交代
そのトヨタは4月1日付で社長が交代します。豊田社長が会長に就任し、後任は佐藤執行役員が昇格するといいます。新社長の下、戦略を転換するのでしょうか。興味が尽きません。
トヨタ新社長が豊田章男から学んだ、「できないことをやる」姿勢 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
記事は、豊田社長と佐藤氏が師弟関係にあるといい、時に現場から不満の声も挙がるような難題を豊田社長は佐藤氏に突きつけていたといいます。
「できません」と答えたこともある。それに対する社長の回答は「わかってるよそんなこと。できないからやるんでしょ」。(出所:Forbes)
「できないものはできないと考えるのが技術屋」と佐藤氏はいいます。しかし豊田社長は「今のあなた達にはできないことでしょう。だから出来る自分になればいいじゃない。自分たちが何かを変えない限りこのクルマはできないでしょう。だから自分たちを変えるところからやったら」と諭したといいます。
「技術が新しい価値を創造しない限り、クルマの需要は衰退していくのです」、豊田社長に諭された佐藤氏はそんな悟りを得たといいます。
EV、EVへと流れる現在の潮流がほんとうに本流となるのでしょうか。EVが自動車産業の成長分野とみなす心情は理解できます。しかし、安易にそれに乗り、そこに全精力を傾けるべきなのでしょうか。それでは、これまでの市場主義のままで、大きな変化はなく、真の意味での「サスティナビリティ」、持続可能な社会に近づくことがないような気もします。
さて、新生トヨタはどんな戦略を打ち立てることになるのでしょうか。