春闘の山場となる集中回答日を迎え、大企業を中心に満額での回答が相次ぎ、最高水準での回答も多いそうです。
きょう春闘集中回答日、早期の満額表明相次ぐ 持続性が焦点 | ロイター
急激な物価高への対応や人材確保などが理由になっているといいます。
こうした波がどこまで波及するか、また、持続的な賃上げにつながるのかが焦点となっているといいます。
これまで持続的な賃上げが実現されてこなかったのは、少子化による国内市場の縮小など先行きへの不安などがあると言われています。
こうした先行きの不透明感を解消せずに、持続性を確保していくことはできるのでしょうか。
首相も「インフレ率を超える賃上げの実現」を強く要請し、「構造的な賃上げ」の実現を要望しているようです。
先行き不安がいまだ解消されていないように思えます。これまでの失政を省みず、企業に要求するばかりではご都合主義のように感じます。
「ジョブ型雇用」「リスキリング」など様々な賃上げのための施策を首相も色々口にしています。必要なことなのかもしれませんが、それをただ企業や国民ばかりに求めるのは何か違うような気がします。やり様を変えるべきなのでしょう。そうでなければ、それらが効果を出すには時間ばかり要することになりそうです。
これまでこうした政府施策が花開くことは少なく、それゆえに賃金が停滞していたのではないでしょうか。
多様性という課題、外国人材と海外進出
継続的な賃上げを実現するためには、収益を改善しその拡大を図り、生産性向上を定着させ、原価低減活動を続けていくことが求められます。また、現下の経済情勢からして、収益を改善させるためには、継続的に外貨を稼ぐようになるのが構造的な賃上げへの一歩になりそうです。
政府施策に従って、優秀な外国人材を活用して、海外市場に進出していくのもよさそうです。
ホウレンソウに不信感 日系企業はアジアで人気低下|NIKKEIリスキリング
ただ外国人材の日系企業への就職志向は下がっているといいます。
かつての日本企業は憧れの存在で、入社して学べるモノがたくさんあった。しかし、もう一度20代に戻って、日本の会社を選択肢するかどうか分からない。(出所:NIKKEIリスキリング)
ショッキングな話でもあります。日本の経済に翳りが見え、なおかつその閉鎖性を指摘されるようになれば、政府の願いとは異なり、人気が落ちていくのかもしれません。
また、企業選択の傾向は変わり、以前、ブランドや製品・サービスで選ばれていたのが、今日では「成長のための育成の機会」、「報酬・福利厚生」、「事業の成長性」に変わり、個人にとってプラスになるかにも置き換わってきているそうです。日本の弱点を指摘されているのかもしれません。
やってみるから理解できる
自分のなかにあるものをできるだけ使い、それを役にどうリンクさせるか......(略)。
しかし、やがてわかっていったのは、自分自身に近い役を演じ切っていくことの難しさでした。(出所:Forbes)
昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での怪演ぶりが話題となった俳優の佐藤浩市さん、「自分から遠い役だから客観的に俯瞰して見られるんです」と語り、「近すぎちゃいけないんだとわかりました」といいます。
俳優・佐藤浩市の仕事論──なくならないものを大事にせよ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
もしかしたら、同じような考えの日本人ばかりが集まって、ガヤガヤやったところで、突き抜けることはないのかもしれません。
浩市さんではないですが、経験するからこそ知り得るのでしょう。自分自身も海外で暮らしてはじめて、多様性のダイナミズムを知ることができました。
ひとつの役が当たると、どうしても同じような役の依頼が来るんです。それはそれで、期待されていることだから、と思う面もある。でもその一方で、そうじゃないだろうとも思う。むしろ、それではいつまで経っても俳優としての引き出しは増えないわけですから(出所:Forbes)
いつまでも同じことをやっていても、何も成長もないということでしょうか。引き出しを増やせていないのが今の日本というところのような気がします。
「参考文書」
高収入の専門職、1年で永住権取得可能に 政府が誘致策 - 日本経済新聞
優秀な外国人材、法整備の検討表明 首相「まだまだ日本は足りない」 [岸田政権]:朝日新聞デジタル