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卵高騰、神宮外苑再開発、なぜ人々は抗議するのか

 

 米国でも卵価格が高騰、昨年の平均価格1.46ドル(約195円)から3.68ドル(約490円)に跳ね上がったといいます。理由は日本同様に、鳥インフルエンザの発生し、殺処分されたことによって鶏の数が減り、卵不足で価格が上昇したそうです。その後、若干価格が下落したそうですが、まだ高止まりしているといいます。

卵1パック600円は「正当な値上げか企業の欲か」。米生産大手の儲け8倍で議論に | ハフポスト WORLD

 そんな中、米国最大手の鶏卵生産者が四半期決算を発表し、売上高が前年同期の2倍、利益は8倍と大幅増になったといいます。好決算だったこの企業では、鳥インフルの発症はなかったそうです。

「バイオセキュリティー対策への投資に力を入れており、高品質の卵を生産し続けて市場に提供することができた」とCEOは発表の場で述べたといいます。

 一方、農家の支援団体は卵価格高騰は生産大手らによるもので、手を取り合って価格を固定して巨利を引き出そうとしていると、連邦取引委員会に訴状を提出したそうです。

 これを問題視する政治家は「アメリカの家庭はみんな食卓に食べ物を並べるために働いている。卵の価格上昇が供給ショックによる正当な値上げなのか、企業の欲によるものか知る権利がある」と述べたといいます。

 こうした状況下でもしたたかに利益を追求するのが米国とも思えますし、鶏卵大手で鳥インフルの発生がなかったのが企業努力による感染対策によるものか否かは定かではないですが、結果として巨利を得たことで批判される、これもまた米国のようにも感じます。

神宮外苑の再開発への抗議

 SDGsを上手に利用して、新たなビジネスモデルを作り、時流に乗って伊藤忠商事が好成績を続けています。その伊藤忠商事の本社前で、明治神宮外苑の再開発の見直しを求めるデモが開かれたといいます。伊藤忠商事は、この再開発に携わる事業者の1つだそうです。

神宮外苑再開発に「身近な緑を守って」。伊藤忠の本社前で訴える | ハフポスト NEWS

伊藤忠さん、神宮の緑を守ってください!」との声が上がったといいます。

 記事によれば、参加者の一人は「企業としてSDGsを掲げているのなら、自然を壊すのではなく目の前の身近な緑を守って、社会貢献をしてほしい」と述べたといいます。また、多くの市民や専門家が抗議しているそうです。 

 東京都はこうした状況を鑑みてのことか、事業者に対し、多くの都民の共感と参画を得ながら推進するよう求めた昨年5月の要請への取り組み状況が不十分として、早急に具体的かつ効果的な対策を示し、主体的に実施するよう要請したといいます。

名所のイチョウ並木の保全や緑を増やす取組などが「十分伝わっていない」とも指摘。「未だ都民の理解や共感が得られている状況に至っていない」として「神宮外苑地区においてまちづくりを進める意義や理念が多くの都民の理解や共感を得られていないことが大きな問題だと認識しています」(出所:日刊スポーツ)

 多くの人たちから理解と賛同を得る行動ができるのでしょうか。

道具を売る会社アップルの理想的な販売

 米アップルも巨利を得る会社のひとつです。

 アップルは、買い物がECサイトへシフトしていく中で、いまだにリアル店舗を大切にしているといいます。そこはただモノを売るだけの場所ではなく、体験を優先し、ユーザーに無料の「学び」も提供しているといいます。

アップルはなぜ今もリアル店舗を大切にするのか? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 人事担当バイスプレジデントのオブライエン氏は次のように語っています。

大切にしているのは、顧客・ユーザーをすべての中心に据えるという精神で、人材はその鍵となるものです。世界中のどの店舗でも、スタッフは常に『お客様の生活をいかに豊かにするか』を考えています。(出所:Forbes)

 さらに、「ツールを使ってみることで、自分すら知らなかった自分の能力やスキルに気づけることもあるでしょう。これは、人々の創造性を高めるすばらしい方法です」と語り、今後もコミュニティーの人々とつながるために、こうしたイベントを活用していきたいと述べています。

 ビジネスのあるべき姿のような気がします。

 iPhoneのようなハードも、またソフトもすべてツール、道具でしかありえず、それは人々を豊かにすると同時に、創造性を発揮するためのものでしかありません。そして、それらをお客様に知らせる最善の方法を選択し、そして販売、そこから対価として適正な利益を得ているだけのことなのでしょう。

 日本にはアップルのように自分たちを販売に長けた企業がまだまだ少ないのかもしれません。かつてはあったのかもしれせんが、少なくなったともいえそうです。

 

「参考文書」

東京都「都民の理解や共感得られる状況に至っていない」神宮外苑再開発で事業者に対応を再要請 - 社会 : 日刊スポーツ

坂本龍一氏“遺言”を岸田政権までスルーする裏事情 神宮外苑「樹木伐採」は“森元首相案件”だから|日刊ゲンダイDIGITAL