Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【サステナブルファッション】進歩しはじめたファッション業界

 

 日本最大のサステナブルファッション展「サステナブル ファッション EXPO」が4月初旬東京ビックサイトで開催されたそうです。ファッション業界にもサステナブルがしっかり定着してきたのでしょうか。

アパレル×サステナビリティは踊り場 「で、着る人は何を得られるか」を訴求せよ - WWDJAPAN

ファッションビジネスのサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)において、リサイクルや生分解性といった環境負荷を軽減する特性の素材活用は大前提だ。(出所:WWD Japan)

「しかし、それだけでは消費者にとっては服の購買動機にはなりずらい」と記事は指摘し、「それを身につけるとどのようなライフスタイルを送れるか、どのような自分になれるか」といった「サステナビリティ+α」の付加価値を訴求することが欠かせないといいます。

 数年前からすれば、目をみはるような進歩もあるように感じます。マーケットの声を真摯に受けて入れてきた結果なのでしょうし、やればできるということなのでしょう。

 気がつけば、洋服がみなサステナブル素材から作られている、そんな日に少し近づいたのでしょうか。

資源循環

 最近の洋服は、速乾性・防シワ性、着用時の快適性を求める需要が高まり、ストレッチ性を出すために異種素材が組み合わされて使用するケースが増えているそうです。しかし、こうした衣服はリサイクルには不向きといいます。

 そんな中、帝人フロンティアが、異素材除去技術を新たに開発し、従来では困難だったポリウレタン弾性繊維を含むポリエステル衣料品からも、石油由来原料と同等品質のリサイクルポリエステルの生産が行えるようにしたといいます。

ポリウレタン弾性繊維を含むポリエステル繊維のリサイクルが可能に 帝人フロンティアが異素材除去技術を開発

 記事によれば、帝人フロンティアは資源循環型社会の実現を目指し、リサイクル対象をさらに拡大させるため、資源循環と省エネルギーを両立するリサイクル技術の確立に向けて改良を重ねていくそうです。

食品残渣の利用

 東レは、製糖工場などで原料となるサトウキビの絞りかす「余剰バガス」や、でんぷん工場でタピオカを抽出した後に残るキャッサバ芋の絞りかす「キャッサバパルプ」を原料に、「セルロース糖」の新たな製造法を開発したといいます。この新たな製造法では、従来の精製法と比べてエネルギーの使用量を50%削減できるといいます。

東レが非食用の農業廃棄物から人工タンパク質原料、2030年に最大1万トン生産へ - WWDJAPAN

 記事によれば、こうした食料とは競合しない非可食成分による素材の需要がバイオマス素材企業などを中心に拡大しているそうです。東レは、早ければ2030年頃にも数千トン~1万トン規模の商業プラントを稼働させるそうです。

 サステナブルファッションの下地が整いつつあるように感じます。 

「服もフードも捨てるのはもったいない」を広げたいと瀧定名古屋が「ハタケ ライフカラー」を発表し、「サステナブル ファッション EXPO」のブースでは、メロンやトマトなどで染めた生地が並べたそうです。

 ファッション業界が、サステナブルという価値観を訴え、強くメッセージを出していけば、もしかして社会の価値観が少しずつ変わっていきそうな気がします。

 

「参考文書」

サステナブル ファッション EXPO|FaW TOKYO (ファッション ワールド 東京)

非可食バイオマスを用いた糖製造技術の実証について ~持続可能な原料から繊維・樹脂・フィルム製品を創出~ | ニュース一覧 | TORAY