Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

不祥事、どうやって企業は立ち直っていくのか

 

 ドイツの自動車大手VW フォルクスワーゲンの年次株主総会で、株主や人権団体から中国の新疆ウイグル自治区にある上海汽車工業との合弁工場について厳しい意見が相次ぎ、一時混乱する場面もあったそうです。

VW株主総会、新疆工場と人権問題で株主らから厳しい意見 | ロイター

 記事によれば、複数の株主が、VWが、新疆の工場を第三者による監査を実施すべきとと主張したそうです。これに対し、VWの中国事業は「同工場で人権侵害が起きている証拠は見当たらない」と語り、VWとして中国側の事業会社の合意なしに監査を実施することはできないと付け加えたといいます。

 人権侵害がないのならその確証を得るためにも監査を実施して、懸念を払拭すべきのように思いますが、それも許されない事情があるのでしょうか。株主を前に企業トップの決断の苦しさを浮き彫りにしています。

不祥事、意思決定を拒む環境

 企業の組織運営が適正に行われていれば、問題も生じることはないのでしょうが、今まで見過ごしていた外部環境に変化が生じることなどして、時に突発的な事象が生じ、企業経営を窮地に追い込むこもあるのでしょう。

 かつて粉飾決算事件を起こしたオリンパスが、長い年月を経て、ようやく正常化したのでしょうか。

連携が進むオリンパスのものづくり、変革が社内の「壁」を破壊 | 日経クロステック(xTECH)

 内実はわかりませんが、関連する記事を読めば、これまでは適正な組織運営がなされていなかったように感じます。ようやくそれが改善、改革されてきたように見えます。不適正な組織運営が、不祥事の原因だったのでしょうか。

 またこうして記事を読んで、オリンパス事件の顛末の一部を知ると、自分の会社人生がいかに幸福な環境に恵まれたいたものとも感じたりします。

 たまたま、運よくなんても思うときもありましたが、今にして思うと、改善、改革は日常茶飯事であったし、そうした環境下にあって、その心構えも養われていたように思います。組織は標準化され、集合知を活かすような体制、たとえば会議体などが整備され、情報はオープンに共有されていたのだと感じます。そうした運営がなされているからこそ業績は常に改善し、世の中が失われた10年、20年というときにも成長することができたのかなと思います。

ユニークさ、意思決定を育む環境

 広島で、特殊鋼の商社を商う深江特殊鋼のユニークな取り組みを日経クロステックが紹介しています。

特殊鋼の商社が挑む「製造業をカッコよく、日本を元気に」 | 日経クロステック(xTECH)

 製造業が好きではないと同社社長の木村氏はいいます。「製造業には不器用でも良い人が多いのに、収益は赤字スレスレか赤字。携わる人がもっと生き生きと成果を生み出せるようにして、流した汗を形できる業界にしたい」が語っています。

もうける仕組みづくりのもう1つのコツは、「オンリーワン技術があるからいい」にとらわれないことだ。(出所:日経クロステック)

 深江特殊鋼は、どこでもできる仕事をシステマティックに処理することに注力しているそうです。標準化を進めれば、自動化も効率的に進められると木村氏は言い、「作業の標準化は深江特殊鋼がやるべきことで、顧客に余計な時間を使わせないのが大事」とも述べているそうです。

 改善、改革というと、敬遠したくなりますが、携わる人たちが生き生きと働けるようにするために、なおかつそれが成果につながっていけば、それは改善となるのでしょう。そうした雰囲気を作れれば、集合知を活かしやすくもなり、意思決定がスムーズになり、その中からユニークさが生まれれば、改革につながっていくのかもしれません。

 そして、木村社長は今、「ものづくりシェアオフィスで製造業を元気に」という新たな構想を描いているそうです。

 

「参考文書」

コスト競争力と回復力が利益の源泉、オリンパス製造・調達トップを直撃 | 日経クロステック(xTECH)

オリンパス「カメラ事業」、売却されて初心に回帰 | IT・電機・半導体・部品 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

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