株価は上がり、税収も過去最高を記録しました。また、財務省の法人企業統計調査によれば、1- 3月期の企業の経常利益は2四半期ぶりに増益となり、前年同期比4.3%増の23兆8230億円になったといいます。こちらも1 - 3期として過去最高の金額だったそうです。
1~3月経常益、4.3%増 過去最高額、非製造業けん引―法人企業統計:時事ドットコム
インバウンドの回復で宿泊や飲食などサービス業が増益し、燃料価格の上昇で赤字だった電気業も黒字に転換したそうです。
一見好調のようにみえる日本経済ですが、必ずしもみながそれを実感していることはないような気がします。一方で、「衰退途上国」とか、「高度経済衰退」と悲観論が囁かれるようになっています。どちらかといえば、こちらの方が納得できてしまいます。なぜなのでしょうか。
企業や国が醸す雰囲気によるところが大きいのかもしれません。なんとか現状維持はできているものの、消費者、国民不在の運営ではこの先が危ぶまれて当然なのでしょう。
この状況を改善するベストプラクティスはないものかと探すのですが、国内でそれを見つけることは困難なようです。参考になりそうなのは、名人戦のタイトルを奪取し、最年少で7冠を達成した将棋界の藤井聡太氏とか、世界で活躍するアスリートなのでしょうか。
日本記録更新が続く女子100メートル障害
陸上の日本選手権が始まり、女子100メートル障害が熱いといいます。横浜の日産スタジアムで5月21日に開かれたセイコー・ゴールデングランプリで、寺田明日香選手が自己記録に並ぶ12秒86で優勝し、初めて日本選手5人が12秒台をマークするハイレベルなレースとなったそうです。
この競技で、寺田選手が日本人で初めて12秒台を記録し、それを追うように、12秒台のハードラーが次々と誕生するようになったといいます。また、日本記録も12秒73にまで縮まったそうです。20年近く日本記録が更新されることがなかった競技にあって、ここ数年で記録が度々更新されるようにもなったといいます。
女子100メートル障害、史上最高レベルの争い 陸上日本選手権は白熱の予想:時事ドットコム
ライバルたちが競い合いながら記録を縮めてきた背景には、メリハリの利いた良き関係があったといいます。
レース前は緊張感が漂っても、走り終われば動きの改善点を互いに指摘し合い、知識や技術を共有している。(出所:時事ドットコム)
大会の最中でも予選が終われば、更衣室でハードリングの技術会議をするといいます。
日本記録保持者の福部選手が「師匠」と慕う寺田選手も、後輩への助言を惜しまないそうです。「みんなで何が問題なのか、海外の選手と自分たちは何が違うのかを考えていかないと」
世界で競い合えるよう、個人の努力だけに頼るのではなく、ライバル同志が協力して、その競技自体を底上げしていこうとしているのでしょうか。
自律分散型社会
企業においてもこうした活動が散見されるようになってきましたが、もう一段レベルをあげて如何に世界として伍していくかという高い目標を持ってもいいのかもしれません。
自律分散型社会においては、節度ある自立共生を目指し、他者と共生して自己実現していくようになるといいます。
今、こうしたことに気づいた人たちがその方向に動き始めているようです。
「参考文書」
日本の「衰退産業」を守れ。新たな市場はどこにある? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)