Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【気候変動】危険になる夏の暑さ、現実的な適応策と緩和策

 梅雨が明け、この夏の気温が気になります。

 台風5号が台湾の方向に向かって北上し始めています。この台風の影響で太平洋高気圧が強まり、今週末くらいまでは列島に猛暑をもたらすようです。

ヒートドーム

 米国でも高温警報や熱波注意報が発令させれるほどの猛烈な暑さに襲われ、その原因として「ヒートドーム」と呼ばれる現象が起きていたそうです。

熱を閉じ込める「ヒートドーム」によって猛烈な暑さが生まれている | WIRED.jp

「ヒートドーム」が起きると、非常に高温な空気のふたができ、気温を上昇させるそうです。ヒートドームの下の空気が地上に降りると、圧縮されて気温が非常に高くなっていくといいます。

 

 

地表付近に降りてきた熱い空気のふたは数日間、あるいは数週間にわたって自らを持続させる。雲の形成を阻害することで太陽エネルギーのすべてが地表に注がれ、さらに地表の温度が上昇するのだ。ヒートドームの初期段階では、土壌や植物の水分が蒸発することで地表はいくらか冷える。これは汗をかいて放熱するのと基本的には同じ仕組みだ。しかし、暑さが連日続くと、蒸発する水分がなくなり気温はさらに上昇してしまう。(出所:wired)

チベット高気圧

 日本においては、西から上層のチベット高気圧が張り出し、下層の太平洋高気圧と重なると猛烈な暑さになりやすいといわれます。「ヒートドーム」と同じような現象が起きるということでしょうか。この夏もチベット高気圧が張り出してくると言われています。

気候変動の影響

 wiredによると、気候変動の影響でヒートドームがいま以上に発生しやすくなるのかについて、科学者はまだ結論を出せていないそうです。ただ、世界全体が温かくなっているので、ヒートドームの形成は以前より高い気温から始まり、これにより持続する力が強まっている可能性があるといいます。やれやれです。

 

 

進化する火力発電

 東京ガスが千葉県袖ケ浦市で進めていたLNG 液化天然ガス火力発電所の事業化について投資意思決定したそうです。発電規模は計195万キロ・ワットとなり、2029年度の運転開始を目指すといいます。

袖ケ浦のLNG火力発電新設、東京ガス単独で…改造すれば水素だけでも発電 : 読売新聞

 この事業では、ガスタービンコンバインドサイクル発電を導入し、将来的な水素の活用を見据え、水素混焼が可能な最新鋭の設備だそうです。また、ガスタービン等を改造すれば水素専焼も可能になるといいます。

(画像:東京ガス

 袖ケ浦市では当初、石炭火力を新設する計画だったそうですが、出光が撤退し、燃料をLNGに切り替えて実現を目指していましたが、九電も昨年撤退を決め、東京ガスが単独で建設を進めることになるそうです。

 遅々とする気候変動対策に苛立ちを覚えます。

 計画した石炭火力は取りやめとなり、燃料がLNGと変わり、水素の供給次第で切替できるよう設備する。しかし、これもまた現実的な対応なのでしょう。

 再生可能エネルギーを最大化するにしても、バックアップ電源を確保しなければ、増える電力需要に安定的な電力供給が実現しないかもしれません。

 これからますます暑くなるであろう夏には、熱中症予防からも潤沢な電力が必要になるのは不可避なのですから。

 

「参考文書」

中国地方の天候 (←チベット高気圧や夏の高気圧が発達する背景について解説)

カーボンニュートラルの実現を見据えたLNG火力発電事業に関する投資意思決定について|東京ガス株式会社のプレスリリース