生成AI ChatGPTの登場で、AI 人工知能利用が身近になったのかと思いきや、必ずしもそうではないのでしょうか。
世界の企業が遅れをとるまいとDXやAI導入を加速しているのに対し、日本はまた「様子見」で後塵を拝し、世界各国から置いていかれることになりそうな気配といいます。
日本企業のAI導入は遅れ気味 「AI不要」の声も多い | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
記事によれば、10カ国を対象にしたAI導入の実態調査で、各国が積極的にAIを活用したプロジェクトを進めているの対し、日本の遅れが明らかになったといいます。
AIは不必要と言い切った割合が極端に多かったことから、日本企業は「DXやAIの重要性に気がついていない」(出所:Forbes)
一方で、「他企業に遅れをとっている」と考えている割合は、他国と大差がないそうです。「そう自覚して前向きに頑張ろうとしているのか、ただ無知なだけなのか」、それはわからないと記事は指摘しています。またしても残念な結果が明らかになりました。
首相はAIに興味をお持ちなのでしょうか、政府の「AI戦略会議」で座長を務める松尾豊東大教授の研究室が監修した生成AIに関する体験講座に参加、LLM 大規模言語モデル開発の流れの説明を聞き、プログラミングを体験したそうです。
岸田文雄首相、東大で生成AI体験 「百聞一見にしかず」 - 日本経済新聞
「百聞は一見にしかず。今までと違った感覚で生成AIを見ることができた」と、講座終了後、首相は話したといいます。
過去の首相の演説や発言録をデータとして読み込み、より精度の高い演説原稿をつくる実験に取り組んだ。同席した村井英樹首相補佐官は「なかなかきちんとした文章になるほどレベルは高くない」と記者団に指摘した。(出所:日本経済新聞)
学ぶことは大切なことですが、一国のリーダーがこんなレベルの会話でいいのでしょうか。デジタル敗戦のようなことが繰り返されそうで気を揉みます。
他方、AIの虜になっているソフトバンクの孫社長は自身の後継者に「ChatGPT」を使える可能性があるかを検討、試しているのではないかといいます。
「孫正義の後継者はPepper」はあり得る!思い出した孫さんの言葉「後継者はいらない。なぜなら…」 | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン
人型ロボット Pepper(ペッパーくん)に、孫社長がフィードバックした生成AIが搭載されて、後継者となることも夢ではないといいます。
グループ各社が自律的にそれぞれ工夫して経営にあたるのを前提に、それらを取りまとめるグループの中枢は、人類を超えるような能力を持ったサーバーに一定の法則を教え込み、グループの全データを収集してそのサーバーが経営していけばいい――(出所:ダイヤモンド・オンライン)
記事によれば、海外の企業においては、「AI」がCEOを務める事例もあるそうです。期待を上回る結果を示し、未開拓市場の特定、資源配分の最適化、消費者動向の正確な予測に成功しているといいます。
主要企業の7割が生成AIを使って労働時間の削減を計画し、最大で4割超の時短を見込む企業もあるとの調査結果もあります。まだこのレベルにとどまっているのが日本企業ということでしょうか。
生成AIで企業の7割時短 NECやAGC、人手不足で浸透 - 日本経済新聞
NECは資料を作る時間が半分になり、AGCもソフトウエア作成の時間が6分の1になった。人手不足が深刻化するなか、AIの活用が企業の競争力を左右し始めた。(出所:日本経済新聞)
AIによって仕事が奪われるという恐怖と不信を乗り越えることが急務になっているのかもしれません。
かつて「IT後進国」といわれました。また同じ過ちを繰り返してしまいそうな気もします。