Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

世界的なインフレ、金利高、失速する「EVシフト」

 常あるものはないということを感じる今日この頃です。昨日まであたり前だったことが今日には全く新しいものに変わってしまうこともざらなようです。

 世界的なインフレと金利高の影響で、「EVシフト」に黄色信号が灯ったのでしょうか。一般的な消費者が割高なEVを購入することが困難になっているといいます。

EV需要鈍化で巨額投資にブレーキ、テスラ含めメーカーに再考迫る - Bloomberg

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、メキシコに10億ドル規模の工場を新設する計画を先送りする可能性があると述べた。昨年の成長ペースが50%に上ったと胸を張って語っていた3月の投資家向けイベントからは様変わりだ。(出所:ブルームバーグ

 他の米国の自動車メーカも似たり寄ったりのようです。GMデトロイト郊外の工場で電動ピックアップトラックの生産を拡大する計画を延期したそうです。

 

 

「EVを取り巻く環境が悪化している」、「2023年後半の今、電気自動車(EV)の未来に良い兆候はまったく見当たらない」、「EVの窮地について、自動車メーカーもついに気づき始めた」、こんな文言が増えているようです。

アメリカの消費者はEVよりもハイブリッド車を求めている | Business Insider Japan

まだ完璧とは言えない車にでも大金を投じるアーリーアダプター(早期導入者)としての富裕層にEVを販売する時代はほぼ終わった。(出所:Business Insider Japan)

 継続的な成長のためには、EVに興味を持つ新たな購買層を開拓すべきなのでしょうが、相当な値引きしてもEVになびきそうな購入層はないといいます。EVを充電することでライフスタイルが一変することに納得せず、むしろHV ハイブリッド車を好む可能性が高いといいます。

トヨタには未来がない」のはずが......

 EVに後ろ向きで「未来がない」とまでいわれたトヨタ自動車が中間決算を公表し、その好調さぶりを見せつけました。

【利益5兆円】なぜトヨタだけが異次元に儲かるのか

 営業利益は前年同期比2.2倍の約2.6兆円に伸び、通期の業績見通しを大幅に上方修正しています。その利益は5兆円にも達し、日本で唯一のワールドクラスの利益水準といいます。

 また、利益率はテスラを上回り、時価総額でもその差がつまってきたといいます。

 トヨタがこだわり抜いたHV ハイブリッド車が売れに売れまくってのことのようです。

 常に冷徹に現状を分析する。勢いに任せてストレッチすることなく、事業計画はコンサバに保守的に立案し、確実に実行できるものとする。「オポチュニティ」機会を明らかにし、市場の期待を裏切らないよう心掛ける。

 計画の実行にあたっては適切にマネージし、遅れがあれば挽回に努める。オポチュニティ(台数、コスト、利益など)こそが付加価値として、それをどこまで期中に見込めるのかを追求し実現を図る。

 いずれにせよ、計画は実現できるものでなければならない。安易なレバレッジに走らない。

JIT経営」トヨタ生産方式を学んでたどり着いた考えですが、こんな思想でトヨタは経営しているのではないでしょうか。

 

 

 あらゆる環境は変化し流転していく。変化する環境の中で生存していくには、自分とは違う考えや行動様式を持つ人たちに順応できるか、それが求められています。その日常においては摩擦や対立を起こさず、常に他者と上手くやっていくことを心がけるべきといいます。これこそが最強を生む力ような気がします。

 トヨタはこれを上手に実践しているのかもしれません。