Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

大企業病なのか、5年連続赤字の楽天、色あせる経済圏

 楽天グループが、5年連続の最終赤字となり、23年ぶりに無配となったそうです。赤字幅は縮小したものの、最終損益は3394億円の赤字だったといいます。携帯電話事業の設備投資が重荷となっての巨額な赤字が続いています。先行きが心配になります。

楽天グループ最終赤字5年連続 2023年12月期無配、携帯が足枷 - 日本経済新聞

 5年連続、少々長過ぎるような気がします。黒字回復とまでは言わないまでも、V字回復の兆しでもあれば印象は異なるものになるのでしょう。

 競争市場に後発で参入し、これといって差別的優位性もなく、ただコスト勝負で、レッドオーシャンに飛び込んでいったのが最悪の選択だったということになりかねません。抜本的な戦略の見直しが求められていそうです。

 

 

 米国では、ビッグテック IT大手が好調のようで、株式市場は過去最高を更新が続く熱狂ぶりです。各社ともAI 人工知能技術の導入を加速させ、それが業績の追い風となっているようです。また人員削減などのコスト削減による効果もあるそうです。

米テック大手5社、増益際立つ 生成AI「幅広く活用する段階に」:朝日新聞デジタル

世界のテクノロジー産業に大きな影響力を持つ巨大IT企業の主戦場がスマホからAIに移り変わったと認識すべきだ。(出所:日本経済新聞

 日本では、ソフトバンクが、米エヌビディアなどと携帯電話の基地局にAI 人工知能を搭載してデータ処理を分散させる技術の実用化に向け業界団体を設立するといいます。

ソフトバンク、NVIDIAと連携 携帯電話のAI基地局で業界団体設立 - 日本経済新聞

 AIを活用して特定の基地局に通信量が集中するのを防ぐほか、電力削減につなげる技術の実用化を目指すそうです。

楽天経済圏を挑むKDDIとローソン

 同じく通信事業者のKDDIは、ローソンの株式を買い取り、三菱商事との共同経営を目指すそうです。

KDDI、ローソンにTOB 4971億円、三菱商事と共同出資―「未来のコンビニ」目標:時事ドットコム

『未来のコンビニ』、KDDIの通信とDXを活用して、その実現を目指すことになるようです。店舗運営の効率化やドローンを活用した遠隔地配送なども進めるといいます。また、楽天に比し、出遅れ感が否めない「Pontaポイント」経済圏をどう巻き返すかも課題になるようです。

 少子化で縮小していく国内市場で、競合同士によるシェアの奪い合いが激化しそうです。その中で、楽天のアクションが物足りないような気もします。

 

 

 楽天がなかなか苦しい状況から脱せないうちに、さらに競争環境が厳しくなっているようにも見えます。

 そんな楽天だからなのかもしれませんが、KDDI楽天も買収したらとのたらればも記事になるようです。

KDDIが楽天を買収したらアマゾン超えも夢じゃない?ローソンTOBの「先」を予測してみた | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン

 楽天経済圏、その囲い込み戦略も色褪せ、レッドオーシャンに引きずり込まれてしまった感が否めないような気もします。楽天発のイノベーションが待たれますが、かつての電機業界のように大企業に陥ってしまったのでしょうか。

 それらに変わる新たな戦略があってもよさそうです。もうそろそろトップの交代があってもいいのかもしれません。世代交代が起きれば、新しい風が吹くような気もします。

 

 

「参考文書」

米S&P500、初の5000超え 「AIブーム」がけん引 - 日本経済新聞

Googleなど米IT、1月1万人削減 組織スリム化でAI集中 - 日本経済新聞

KDDIとローソン、楽天経済圏追う ポンタポイントは「絶対強化」 - 日本経済新聞

[社説]AI時代の競争に入った米巨大IT企業 - 日本経済新聞

長谷川眞理子氏「人間は他人を助ける生き物、共感する力が社会規範をつくる」:日経ビジネス電子版