トヨタの豊田会長は9月26日の記者会見で、「自動車業界だけで未来を表現することには限界がある。東京モーターショーでは全ての方々に移動の自由を見せていきたい」と語った。
トヨタの「2050環境チャレンジ」は、ヨーロッパの自動車メーカ各社に比べ、EVの取り組みの甘さを感じていた。
9月20日の日経XTECHに、トヨタのEV戦略変更とその具体的なプランが示されていた。
1)電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車などの電動車の年間の世界販売台数について、2030年に550万台としていた目標を2025年に5年間程度前倒しする。
2)2020年に中国で自社開発の量産型EVを本格導入するのを皮切りにグローバルで車種展開を拡大し、2020年代前半には10車種以上をラインアップする
3)EVの普及に向けて「協調」の姿勢で多くの企業と新しいビジネスモデルの構築に取り組む
(3-1)日本で超小型EVを展開
(3-2)SUBARU、ダイハツ工業、スズキなども巻き込みながらグローバルEVを開発する。
(3-3)需要が拡大する電池の安定調達のため、これまで電池を調達してきたパナソニックなどに加えて、国内メーカ3社、それに中国の大手車載電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)と提携する 。
ヨーロッパの排ガス規制が目の前に迫る中、ダイムラー、フォルクスワーゲンなどに比べ、トヨタのEV計画の緩慢さが気になっていた。
ヨーロッパ マドリードやロンドンなど主要都市ではLEZ(= Low Emission Zone)が導入され、都市中心部への車でのアクセスが制限されている。スペイン ポンテベドラでは中心部で車が完全にシャットアウトした。この先、ヨーロッパではこのような動きが加速していく予感がする。また、MaaSの登場で、クルマも単にひとつの移動体になる。すでにフィンランドではMaaSが導入され始めた。
Maas(= Mobility as a Service)とは、運営主体を問わず、情報通信技術を活用することにより自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念。(出所:Wikipedia)
こうした現状からすれば、トヨタが超小型EVを展開することは非常に意義深いことだ。ヨーロッパの自動車メーカは既に小型電動スクータなどに取り組み、販売予告もしている。トヨタの巻き返しに期待したい。東京モーターショーではどんな世界観を示すのだろうか。
イーロン・マスクは、アメリカ大陸の地下にトンネルを掘って都市間を結び、そこをEVで超高速で移動することを考えてもいる。それはそれでゼロエミの移動ということで意味はあることですが.....
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