Up Cycle Circular’s diary

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銀行は本当に変わるのか? 石炭火力発電に融資する邦銀四行

 

  9月22日、国連で画期的な出来事と言われた世界130の銀行が署名した「責任銀行原則」。これで、銀行が変わるかと思われた。「責任銀行原則」は、「温暖化対策の国際合意であるパリ協定の目標達成に整合性のないような融資は行わない」ということを意味するとNHKは報じた。

日本で署名した銀行は、三菱UFJ、みずほ、三井住友、三井住友信託の4つのグループで、大きな期待が寄せられています。グテーレス国連事務総長は、地球温暖化を1.5℃未満に食い止めるためには、2020年以降の石炭火力発電所の新設を禁止すべきと訴えています。日本の三大メガバンクも石炭火力への融資を見直す方針を発表しましたが、すでに計画を進めている発電所への融資は撤回せず、慎重に検討するとしています。このため世界のNGOは、脱石炭への動きが十分ではないと批判しています。 (出所:NHK

 

www.nhk.or.jp

 

 日本の銀行は本当に変わっていくのだろうか?

 

 

石炭火力発電への融資阻止に動くNGO

 NHKが指摘する通り、実際に、NGO8団体が邦銀四行に対して、ベトナムに建設予定の石炭火力発電に対して抗議、各銀行に対して融資を行わないよう要請書を提出している。

ブンアン2に融資検討中と言われている4行のうち、三菱UFJと三井住友信託は、それぞれ新規石炭火力発電事業への融資を制限する与信方針を採用して以来、本事業が初めての案件になる可能性があります。また、4行とも9月ニューヨークの国連本部で開催された国連気候行動サミットの前日、国連責任銀行原則(PRB)に署名し、「持続可能な開発目標(SDGs)およびパリ協定に事業戦略を整合させる」ことを約束しています。ブンアン2に融資を行うことは、銀行が自ら掲げた目標を反故にすることと同じです。(出所:350 Japan)

 

world.350.org

 

 こちらが提出された要請書 ↓  
docs.google.com

 

【E3G 石炭スコアカード2019年】時流に逆らう日本:G7諸国でいまだに石炭火力を推進する唯一の国、経済的先進国の中で孤立

 

350 Japan – 日本のメガバンク3社:石炭火力発電への貸し出し世界上位

 

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 期限を過ぎていますが、署名はできると思います。私も署名済です!

 

chng.it 


EUで整備が進む「サステナブルファイナンス」とタクソノミー

 世界各国で、「サステナブルファイナンス」の法制化に向け準備が進められている。その先端をいくのがやはりEU

法制化するとなると、「何がgreenか」、「何がサステナブルか」を金融機関や投資家の自主的な判断に委ねるのではなく、サステナブルな経済活動を特定する際に役立つ統一的な分類を示すことが必要となる、それが「タクソノミー(分類学)」(出所:誤解だらけのエネルギー・環境問題 竹内純子)

 

 EUのタクソノミーhttp://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2019/2019sum06web.pdf

 

日本 経団連からの意見表明

 このEUの動きに対して、経団連が以下のような課題認識を示している。簡単に断じるなら、反対表明ととっていいだろう。経団連の意見を要約すると、

 

1.「サステナブル」の判断は環境側面だけではなく、総合評価に立脚すべき

2.民主導の非連続なイノベーションを阻害してはならない

3.タクソノミーの拙速な国際標準化や国際金融規制への活用に反対

 

www.keidanren.or.jp

 

 経団連の意見表明では、イノベーションという言葉を多用する。果たして、経団連が指摘することでイノベーションが生まれるのだろうかとの疑問がわく。従来型の経済活動を是認していてはイノベーションは萌芽しない。イノベーションは現状を否定することになるからだ。それは歴史が物語っている。

 EUは、それこそグリーンイノベーションを求めているのではなかろうか。

 

 

 

投資の現場では

 野村証券は、『EU経済が世界経済の約2割を占めており、サステナブルファイナンスに関してはEUの発行体によるESG債発行残高が5割程度を占める現状に鑑みると、EUのみならず、日本を含めた世界各国にどのような影響を及ぼしうるかが今後の1つの注目点になると考えられる』と指摘する。

 

 現実、昨年のことだが、英機関投資家により、日本郵政とスバルがダイベストメントの憂き目にあっている。 

  

www.bloomberg.co.jp

 

 欧州が進めようとする流れを止めることはできるのだろうか。 現実を現実として認識する勇気も必要かと思う。

 

www.nikkei.com

 

「コモングッド」を重視する未来へ Think Globally, Act Locally

  日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一は、幕末にフランスに留学し学び、日本に銀行を開くことに奔走、資本主義の基盤を作った。その渋沢はどんな志をもっていたのだろうか。

 

 Think Globally, Act Locally

 

  国際協調が重要に思えてならない。歴史を振り返れば、国際協調から離脱し失敗した経験があるではないか。

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www.jp.undp.org

 

 フランシスコ ローマ法王が来日されている。今日、その長崎と広島を訪問される。

 どのようなメッセージを発信されるのだろうか。

 

 「すべての命を守るため」

 それが法王の訪日のテーマであると聞く。

 そのローマ法王も地球環境を憂慮されるおひとりらしい。 

 

ideasforgood.jp

 

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「参考文書」

dsupplying.hatenablog.com 

 

about.bloomberg.co.jp

 

ieei.or.jp

 

ieei.or.jp

 

sustainablejapan.jp