環境NPOが株主になり、株主提案で企業に気候変動対策を求める、そんな動きがある。
京都の環境NPO「気候ネットワーク」が、みずほFGに、パリ協定の目標に整合した投融資を行うための計画を開示することを求め、株主提案したという。
昨日6月25日、みずほFGは、定時株主総会でその株主提案を否決した。
みずほでは、パリ協定の趣旨を踏まえた目標を含む経営戦略を記載した計画を年次報告書や気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)リポートなどで能動的に開示している、などとして同提案に反対を表明していた。
みずほは4月、石炭火力発電所向けの新規融資を停止し、2050年度までに残高をゼロにするなどの目標を定め、サステナビリティ(持続可能性)の取り組みを強化すると発表している。
株主総会では猪股尚志執行役常務が、50年度というのはプロジェクトに遅延があった場合に備えているとした上で、「40年度におおむねゼロにできると考えている」と説明した。 (出所:ブルームバーグ)
気候ネットワークによれば、提案した内容は、ノルウェー最大の年金基金機構であり生命保険会社でもあるKommunal Landspensjonskasse(KLP)、Storebrand ASA、デンマークの年金基金であるMP Pensionが支援を表明していたという。
また、5月末に世界最大手のファンド ブラックロックが韓国エネルギー公社の石炭火力発電事業への関与を公式に批判したことを例にして、気候変動がすでに投資家にとっての重要な課題であることを強調する。
東京新聞は、 株主総会に参加した気候ネットワーク国際ディレクターの平田仁子氏が「3割強の賛成があった」と説明したと報道する。
ビジネス界では気候変動が最大のリスクとして認知され、その対策に向け国際イニシアティブが多数立ち上がり、多くの企業が賛同、パリ協定の目標達成に向かい始める。国際NGOによる監視も強化され、企業の取り組み状況が見える化されるようになった。
世界では気候変動を解決していくことがもう当たり前のことなのかもしれない。それでも、 まだみずほのように出遅れる企業があったりするが、全体としては変化することもなく粛々と時は進む。どこかで「みずほ」も態度を変えるしかなくなるかもしれない。
新型コロナの影響で少し揺り戻しになったりしているものもある。
スタバでは、マイボトルなどでのドリンクの提供が一時休止になった。「健康」と「安全」を優先したことによることだが、「地球環境にやさしく」との流れが、少し後退しように見える。
6月24日、スターバックスのCEOケビン・ジョンソン氏が、「2019 Global Social Impact Report 」の発行にあたり、メッセージを発表した。
このメッセージの中で、’紙コップ’のことにも言及したが、今すぐに解決できる方法はなさそうだ。引き続き、コンポスト可能な生分解性のカップの開発を続けるとした。
(カップ関連におけるアクションの進捗は、2019 Global Social Impact Reportの中で、状況説明されている。)
一方で、植物由来のメニューは充実させるようだ。
6月23日、ニュースリリース「スターバックスでの植物ベースのメニューの革新」を発行、代替肉を使用したインポッシブルブレックファーストサンドイッチが新登場することを伝える。米スタバでは、以前から認定ヴィーガンベーグルなどは販売していた。
中国のスタバでは、4月から代替肉のビヨンドミートを使用したランチメニューの提供を始めている。
ロイターは、「新メニューは、米国や欧州の一部ほど代替製品が普及していないアジアで事業拡大を目指すビヨンド・ミートにとっても重要な一歩となる」と伝える。
国内のスタバにも登場することはあるのだろうか。
新たなランチメニューの柱は、ビヨンド・ミートの代替牛肉を使用したパスタとラザニア。代替豚肉ブランド「オムニポーク」の製品を使用したメニューも提供する。
また、オート麦を原料とする植物由来代替牛乳であるオートミルクを使用したラテも販売する。(出所:Tロイター)
コロナはスタバの売上にも深刻な影響を残し、その対応を求められる。
米国のスタバでは、ドライブスルーやアプリで注文した商品を車に乗ったまま受け取れる「カーブサイド・ピックアップ」、デリバリーに対応した店を増やすそうだ。
向こう1年半で数百の既存店を持ち帰り対応型に転換し、新たに数十の持ち帰り専門店も出店する。一方、従来型店舗の一部は閉鎖する。米国とカナダの合計で最大400店を閉鎖か改装、もしくは移転することになるという。 (出所:Forbes)
日本経済新聞は、「花や家具をサブスクリプションで 暮らしに彩り添える」という記事を投稿した。最近では、自宅を彩る「モノ」を対象にしたサブスクが人気を集めているという。
記事では、花の配送サブスクや現代アート、家電や家具などのサブスクサービスを紹介する。
花の配送サブスク「Bloomee LIFE」は、季節の花を自宅のポストに届けるという。現在は3万世帯以上が利用し、料金は花の本数や内容により1配達500円からだそうだ。
絵画など現代アートの分野では「Casie」(かしえ)というサブスク型レンタルサービスがあるという。絵のサイズによって月額2178円など3種のプランが設定されているという。
家具・家電のサブスクでは、「subsclife」を紹介する。転職や引っ越し、結婚などライフステージが変化する際に利用を始める人が多いという。
サブスクサービスも日増しに増えているのだろうか。使い捨てずに、商品を長く使うということの手助けになればいいのかもしれない。
利用者の一人の40代女性は、勤務先から独立するとき活用を始め、職場兼自宅の環境を整えた。「サブスクなら初期費用を抑えながら憧れの家具や家電が使える。これがなかったら、量販店で一番安い家具家電を買っていたかもしれない」という。
運営会社subsclife(東京・渋谷)の町野健代表は「安い家電を買い、壊れたら買い直す人は多いが、資源の持続可能性の観点からも家電や家具をサブスクで利用できるようにしたいと考えた」と話す。 (出所:日本経済新聞)
社会のどこかで変化が起きていたりする。そんな変化が気づいてみる。
気候変動対策、パリ協定遵守というと何か壮大なテーマに聞こえるが、買い物を少し変えるだけで、地球にやさしい行動になったりする。
先日、タラコを買うかと思ってスーパーに行った。海のエコラベルMSC認証のタラコにするか、それとも母の好きなメーカのタラコを買うかで悩んだ。どちらも値段は同じだった。母を思えば、非認証のほうだったのけれども、結局、買えずに帰った。
多少停滞する時間があってもいいではないか、何事も一気にゴールに到達することはないのだから。