ままならない国際情勢、中国でのコロナ渦、ウクライナ危機、悪い円安に物価高騰、こんなことに一喜一憂していても仕方がないのかもしれない。
不幸もいつ幸福に転じるかわからない。散々に言われてきた環境問題や気候変動、SDGsも今ではメガトレンドになった。胡散臭いところもあるかもしれないが、ひどくたたかれていた頃を思えば、進展しているというものだ。胡散臭いところを正して改善すれば、さらに状況は良い方向に進み、少しだけ幸福に近づいていくのかもしれない。
コンビニで量り売り
ナチュラルローソンの都内直営で2020年8月、洗剤や食品などの量り売りが始まったという。好評ということで、今では10店舗にまで拡大したという。
ローソンが量り売り店舗拡大 適量のナッツは手軽なおやつに:日経クロストレンド
「ナチュラルローソンは、あくまでも第一歩。全国のローソンでご活用いただけるようになることが重要です」
今後、お客様とのタッチポイントが多い、おにぎりやファストフード、ソフトドリンクなどの食品類で量り売りが増えれば、結果的に大いにプラごみ削減に貢献できるはず。
とはいえ、おにぎりの量り売りは現実的ではありません。好きな商品が手軽に買え、しかも少しお得になる。そうした自由度の高い買い方ができるようになることで、結果的に環境負荷軽減になるという流れをつくれれば自然と量り売りも浸透していくのではないか。それぞれに合うSDGs(持続可能な開発目標)があるはず。何が量り売りに適しているかを見極めたい(出所:日経クロストレンド)
完全ではないかもしれないが、ないよりはあった方がいいし、選択肢が増えることはよいことなのだろう。
会社イメージを伝えるノベルティにも海洋プラ
パイロットが2020年12月に発売した油性ボールペン「スーパーグリップG オーシャンプラスチック」が、ノベルティとして、発売半年で約50万本を売ったという。
SDGs文具が50万本売れた 海洋ごみ製ボールペンが法人需要で人気:日経クロストレンド
「スーパーグリップG オーシャンプラスチック」、海洋プラスチックスからリサイクルした再生樹脂を使用したものという。
陸や川で捨てられて海にたどり着いたプラスチックごみを日本国内で回収し、筆記具の素材として再利用した日本で初めてのペンだ。(出所:日経クロストレンド)
環境問題やSDGsに取り組んでいますと企業イメージを伝えるには、もってこいのノベルティなのだろう。グリーンウォッシュ、SDGsウォッシュに手を貸しているだけではないかと思えてしまうが、それでもこれで現実に海洋プラが少しだけ減少するのも事実なのだろう。
さんざん嫌われていた菅前首相のカーボンニュートラル宣言がひとつのきっかけなのかもしれない。何がきっかけで転換が始まるかを予測することは難しい。それでも、価値観が少しづつ変わり、完ぺきではないもの多くの企業が率先して環境問題に取り組むようになった。
転換点
地球温暖化の脅威が変えるのは、気候だけではないと日本経済新聞がいう。
異常気象は国や企業、個人のこれまでの価値観を揺るがし、今では「温暖化防止に役立つか」が生き方の基準となった。数世紀後に振り返ったとき、今の時代が人類にとって歴史の転換期となっているのは明らかだ。(出所:日本経済新聞)
「一人ひとりが意思を示し、自分たちなりの行動を起こしてこそ未来は開く」という。
少し大げさにも感じるが、価値観が変わるというのは変化を受容するということなのだろう。価値観が変われば、ウォッシュという批判はおさまり、本物が求められ、そこに近づく企業が好まれ、まがい物は徐々に排除されていくのかもしれない。
かつての小売りは量り売りが当たり前だった。米国でセルフサービス方式のスーパーマーケットが登場し、消費者は便利さを手に入れたかわりに、地球を犠牲に負荷をかけ始めたのかもしれない。ものすごいスピードが技術革新と効率化が進み、利便性を手に入れた。しかし、それは環境だけでなく、様々なところに歪みを生じさせたのだろう。
2050年までの技術革新のロードマップを日本経済新聞が描いている。まんざらでないかのかもしれない。こうした革新を誰の手にゆだねるのだろうか。私たちが企業活動を通して実践していくのが手っ取り早いのかもしれない。それができればまさにパラダイスシフトであり、価値観の大転換になるのだろう。それが実現できればもう悪い円安に苦しむこともなくなるのかもしれない。