Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【生産性向上と賃上げ】あふれるほどの提言にアイデア、実現しない理由は

 

 最低賃金の上げ幅が過去最大の31円で決まり、2022年度の最低賃金の目安を全国平均で時給961円になったといいます。伸び率は3.3%で、足元で進む物価上昇などを反映した結果になっているともいいます。

 ただ企業は賃上げに必要な原資を得るため、生産性の向上を迫られるといいます。

最低賃金31円上げ961円 全国平均、物価高で上げ幅最大: 日本経済新聞

燃料価格の上昇に伴い、企業は収益を圧迫されている。物価高に対応する賃上げを進めるには、デジタル技術の活用などで製品やサービスの付加価値を高め、生産性を改善して収益力を高める必要がある。(出所:日本経済新聞

 同じ話を繰り返し聞かされます。しかし、一向に、持続的な賃金上昇にはつながらないようです。

 専門家たちが様々な意見を述べています。賛否両論、多様な意見があるようです。

 

 

 一方、「DX」はいかにして進めるべきかと関連業界が競っています。またデータ利用やそれにマーケティング理論を組み合わせたものもあります。これだけ色々なアイデアが飛び出しているのに、思うようにDXが進んでいかないのはなぜなのでしょうか。

PoC止まりの打開策を巡って議論百出、「失敗の許容」と「壁打ち」と「因数分解」 | 日経クロステック(xTECH)

 その原因のひとつとして、「PoC(概念実証)」を実施しながら、そこから先に進めない「PoC止まり」の状況であると日経XTECHは指摘します。

 そこで立ち止まってしまったら元も子もありません。折角の意見にアイデア、概念実証すべてが徒労になってしまいます。これでは生産性向上があろうはずもありません。

「DX」、デジタルによる変革と定義付けされ、イノベーションが不可欠なもののように言われます。停滞してきた理由を鑑みてのことかもしれません。

 しかし、百花繚乱のようにアイデアは咲き乱れていますが、肝心の成果が実ることはないようです。大上段に構えて、ことを進めることが王道なのかもしれませんが、それよりはかつてのようにできることから始めていく方が早く成果をあげられるのかもしれません。

 

 

 ソニーが昨年6月、「オリジナルブレンドマテリアル」というサステナブルな紙素材を開発し、完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングヘッドセット「WF-1000XM4」のパッケージに採用しました。

(写真:ソニー

コストアップになると思われがちな環境に配慮した素材。しかし、それを採用した「WF-1000XM4」ではパッケージサイズを大幅に小型化することで輸送コストが削減でき、「トータルでのコスト増を抑えることができた」といいます。

ソニーのオリジナル紙素材 パッケージにイノベーション:日経クロストレンド

試作品のほんの一部を見せてもらったが、驚くほどのバリエーションがあった。デザイナーはこうやって、思考や発想を企画書に落とし込むだけでなく、「カタチ化」して提案する。見た人、手に取った人が、理論理屈ではなく、まさに五感で感じ取って判断できる。そこに強みがあると得心した。(出所:日経XTREND)

 新しい提案をすると、現場に下りる過程で、ノーの理由を見つけて拒否されることは少なくないと記事は指摘します。

 新しいことを社内で通していくのは容易ではない、「前例がない」「コストがかかる」「製品の売りに結びつかない」などなど。

 この新しいパッケージを提案したソニーのデザイナーチームは、事業部が採用しやすいように、3つの原材料の調達から紙の生産工場や工程、成型や印刷の技術まで現実的な調達の流れとコスト試算まで整えて事業部に提供したといいます。

 

 

 もしかしたら、こうしたことからイノベーションは始まっていくのかもしれません。提案された事案を整え、その過程で効率化を進め、さらにデジタルが活用されれば変革に近づいてのではないでしょうか。

 そもそも生産性の改善には終わりがないものです。それを追求していく過程で、新しい要素が加わることで、イノベーションになったりするのではないでしょうか。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

「参考文書」

顧客データを「宝の山」に変えるには? マーケ活用4つの視点:日経クロストレンド

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