Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

エスプレッソカプセルのRE:CYCLEから見えるネスレのユニークさ

 

 ネスレはユニークな会社だと思う。日本ネスレがアンバサダーサービスから始まり、次々と施策を実行し、「えっ、こんなこともやるの」と驚かされる。コーヒー好きだけに興味が尽きない。興味ついでに調べてみると、まじめにサスティナビリティに取り組む会社だということを知った。とはいえ、多国籍企業だけに、様々な問題を起こしているのも事実なのであろう。

 

ネスレコカ・コーラペプシコに並び、プラスチックごみの3大製造元

 グリーンピースによると、リストのトップに立ったのは飲料の世界最大手コカ・コーラ。42カ国中40カ国でコカ・コーラ社製のプラスチックごみが見つかった。(ごみの種類は略)2位はペプシコ3位はスイス西部・ヴヴェイに本社を置くネスレだった。この3社だけで世界で見つかったプラスチックごみの14%を占めた。(出所:スイスインフォ)

 

www.swissinfo.ch

 

 そうした背景もあるからなのであろうか、「サーキュラー・エコノミー」の推進やプラスチックスの削減に積極的に取り組み、数々の国際イニシアティブに参加、リーダーシップをとっているようだ。

 

 そのNestleは2025年までに、ネスレで使用する容器の素材をリサイクルまたは再利用可能なものへ100%変更すると宣言している。 (The quest for better packaging)

 

Nestlé’s ambition is that 100% of our packaging is recyclable or reusable by 2025. (出所:ネスレグローバルサイト)

 

ネスプレッソの使い捨てのアルミカプセルを再利用、アップサイクリングした「RE:CYCLE」という自転車の発売もそうした取り組みのひとつなのであろう。1000台の自転車のフレームを作るためにネスプレッソのアルミカプセル300,000個を再利用したという。このユニークな自転車RE:CYCLEは、限定で1000台販売された。

 

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(写真出所:https://velosophy.cc/introducing-recycle/) 

 

 RE:CYCLEは1290ユーロ(10万円程度)を超える価格に見合うこだわりの素材を使い、持続可能性を目指すだけでなく、先進的で高品質なデザインとの両立も重視している。かごにはカップホルダーが2つ設けてあり、ネスプレッソカプセルを参考にした塗装や、カプセルの形をモチーフにしたベルもついているなど、ネスレとのコラボを表現しているのも特徴だ。(出所:IDEAS FOR GOOD)

 

無限に再利用可能できるアルミの特性を活かして、アルミカプセルをリサイクル自転車という第2の役割に変換するこのパートナーシップ活動は、すべてのお客さまへの強力なメッセージとなる。」

 

 1社単独で、「サーキュラー・エコノミー」を実現するのは難しい。協力してくれるパートナーがいってはじめて成り立つ。協力し合えるパートナーが増えれば、様々なことが実現できる。そうしたことをこのRE:CYCLEという自転車で証明したということではなかろうか。

 

Driving positive disruption 

While the Vélosophy bikes may initially attract a few puzzled looks in Nespresso boutiques, such positive disruption is the hallmark of these innovative collaborations. They show people the potential in resources they see as ‘waste’, and challenge them to consider the impacts of their consumption. (出所:ネスレグローバルサイト)

 

 Vélosophyとの異業種でのコラボレーションの意義をグローバルサイトで強調する。ごみとして廃棄されるだけであった「ウェイスト」を新な資源として、アップサイクルやサーキュラーエコノミーの可能性を拡大させていく。

 

RE:CYCLE is the fruit of two years of co-development work from the two brands. Östholm says the greatest challenge was converting the lightweight aluminum into a material rigid enough to meet safety standards. Hardly rocket science, he explains, but it took some time.

“I see in Nespresso a strong commitment to sustainability, which is why this has been the dream partnership. We are proud to have co-created a bike that takes on the future,” Östholm says.

On the Nespresso side, the partnership sends out a powerful message to consumers, showing them that their recycling efforts are vital to give aluminum – an infinitely recyclable material – a second life(出所:Nestle Global Site) 

 

IDEAS FOR GOODは、このRE:CYCLEを生産するVélosophyのサステナブルな取り組みや、Nestleとのコラボの始まりを紹介する。

 

Vélosophyは2016年の創業以来、販売台数と同じ台数の自転車を途上国の若年女性に寄贈する取り組みを行っており、社会課題解決を事業の中心においている企業だ。ネスレ社の持続可能性への取り組みや「コーヒー1杯が世界にポジティブなインパクトをもたらす」というビジョンに感銘を受けたことが大きく影響して、今回の自転車の実現につながっている。 (出所:IDEAS FOR GOOD) 

 

ideasforgood.jp

  

 

 

 Nestleは、。世界に存在する社会課題に向き合い、その解決に取り組む。本業であるコーヒーのバリューチェーンで積極的にサスティナブルな活動に取り組む。

 

 

持続可能品質 

ネスプレッソの一杯のコーヒーが、至福の時間を
お届けできるのは、社会的にも環境的にも大きな価値を
生み出しているから。 (出所:ネスプレッソページ)

 

www.nespresso.com

  

スイスの飲食料大手ネスレが欧州で最も時価総額の高い企業に輝く

こうした活動の積み重ねが企業価値を引き上げる。欧州企業に限ると蘭英の石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルを抜きトップに立ったという。かつて世界を席巻してきた石油メジャーより、サスティナビリティを重視する企業が価値を高めていく。

 

 国際会計企業アーネスト&ヤングの年次調査によると、ネスレ時価総額は2520億ドル(約27兆円)。世界全体では前回より3位高い15位にランクインした。 (出所:スイスインフォ)

 

 Nestleは、顧客体験をとても重要視している企業のようにうつる。今、こうした企業がより消費者に受け入れられることを証明している。 

   

 

 

 「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

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