Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サステナブルなシーフードたち 食品偽装も見破るMSC認証のトレーサビリティ

 

 今シーズン、日本近海では、サンマやサケ、イカなどが不漁だったと聞く。 魚や魚介類の海産物も、私たち人類にとっては貴重な資源。

 海のエコラベル「MSC(Marine Stewardship Council)認証」は、その資源である水産物を維持、回復、海洋環境の保全を目指し、持続可能で適切に管理された漁業を推進する。  


MSC「海のエコラベル」って何?
www.msc.org

 

 

 スーパーで売られているサバの70%がノルウェー産だという。そのノルウェーを含めた北東大西洋8カ国にまたがるサバ漁業はMSC認証を取得していたというが、昨年、MSCは認証を一時停止したという。取り過ぎが理由だという。

  

news.yahoo.co.jp

 

追跡可能になった水産物サプライチェーン

 MSCは、水産物の乱獲を防止、持続可能でサステナブルな漁業を推進し、食卓に届くまでのサプライチェーンでのトレーサビリティのためにCoC認証もおこなっている。

 CoCは、Chain of Custody の略で「加工・流通過程の管理」のことをいう。

 

2016 年の DNA テストで、99.6%の MSC ラベル付き水産物が正確にラベリングされたという。

 

Ocean to plate graphic

 MSCは、水産物DNAテストと非通知の追跡調査で、海から食卓までのサプライチェーン全工程で追跡が可能とした。その証が、海のエコラベル「MSC認証」。「海のエコラベル」が付いた水産物は、認証漁業にまでさかのぼることが出来る。

 

www.msc.org

 


No to fish fraud: How DNA testing ensures the traceability of MSC labelled seafood

 

 サステナブルなシーフードたち

 MSCによれば、CoC認証を取得した国内の事業者数は266件、MSCエコラベル付き製品数は865品目あるという。マルハニチロの冷凍食品やマクドナルドのフィレオフィッシュもそのひとつ。

 

マクドナルド 「フィレオフィッシュ」に海のエコラベル

アラスカの海でサステナブルな漁業で獲れたスケソウダラがマクドナルドの「フィレオフィッシュ」になる。昨年10月、その「フィレオフィッシュ」を25年ぶりにリニューアルし、パッケージがMSC認証「海のエコラベル」付きになった。

 

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マクドナルドによると、リニューアルで、「フィッシュポーション」の冷凍工程を「2回」から「1回」にしたという。

 


私たちがお答えします。「フィッシュポーション工場」篇

 

環境負荷の軽減も実現、MSC CoC認証も取得

 マクドナルドによると、フィッシュポーションの生産工程見直しにより、従来の加工で使用していた解凍用の水は、年間で約50%削減、水資源の負荷を軽減したという。また魚をブロック状で輸送することで輸送効率が上がり、2回の冷凍で使用していた電力も削減、CO2換算で約38%削減し、さらに魚の内臓などは他製品へリサイクルしたことで、魚由来の廃棄物も約5%削減したという。(参考:マクドナルド ニュースリリース) 

www.mcdonalds.co.jp


 マクドナルドは、MSC認証以外でも認証取得を進める。MSCニュースレターによれば、マクドナルドは、社会的課題や環境問題に取り組むグローバルな枠組み“Scale for Good (スケールフォーグッド)”を策定し、紙製容器包装類にはFSC®認証紙、店舗用のフライオイルにはRSPO認証油、またコーヒー豆はインフォレスト・アライアンス認証農園で栽培されたものを使用するなど、持続可能な調達を進めているという。

 

 

 

サステナブルな缶詰や冷凍食品 ~マルハニチロサステナブルな食材たち

 マルハニチロは、中期計画に「持続可能な水産資源の利用を推進」を掲げ、持続可能な漁業・養殖認証(MSC・ASC)取得を推進、輸入水産物のトレーサビリティ強化をはじめている。

(ASC認証:ASC(Aquaculture Stewardship Council、水産養殖管理協議会)による、養殖業に対する認証制度。環境と人にやさしい責任ある養殖業で生産された水産物に認められる証)

 

MSC認証 ツナフレーク まぐろ野菜スープ漬

MSC「海のエコラベル」を表示した家庭用調理冷凍食品などの取扱数量の推移

グラフ:MSC取扱数量の推移

(資料出所:マルハニチロホームページ)

www.maruha-nichiro.co.jp

 

 

まとめ 日本の漁業でもMSC/ASC認証を進めて!

  MSCによれば、国内でMSC漁業認証しているのは6件のみだという。日本の漁業は、資源管理を漁業者の自主管理に任せていた。こうしたことが、魚の資源が減り続けてきた原因らしい。

 

 コープ自然派事業連合は、「Table」で、「ノルウェーサバは25〜30%脂がのる秋から冬のおいしい時期にのみに漁獲されています。これは漁獲枠が漁船ごとに厳密に決められ、脂がのらない価格が安い時期には獲りません。日本では旬に限らず1年中獲るため、パサパサしたものまで販売されることが魚離れの一因ともなっているようです。そして、日本では食用にならない小型のサバの一部が東南アジアに輸出され、低コストで缶詰になり再輸入されています」と指摘する。(漁業における「エシカル消費」ってなに?

 

 日本でも、適切な水産資源の管理のためにもMSC認証の漁業を進めるときがきているようだ。私たち消費者も「海のエコラベル」を選ぶよう心掛けたほうが良いかもしれません。 

MSC漁業認証 取得漁業数
世界・・・395件/日本国内・・・6件
MSC漁業認証 審査中漁業数
世界・・・98件/日本国内・・・1件
CoC認証 取得事業者数
世界・・・ 4,999件/日本国内・・・266件
MSCエコラベル付き製品数
世界・・・ 41,000品目以上/日本国内・・・865品目
(2019年12月26日時点) (出所:MSC ニュースレター12月号)

  

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

www.fnn.jp

 

 「参考文書」

www.mcdonalds.co.jp

 

project.nikkeibp.co.jp

 

www.sankeibiz.jp