Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

季節感 自然の移ろいと変化を思う

 

 大きな変化が起きると、つい身構え、不安を感じたりする。人間としてごく普通の反応と言われる。英国や米国でコロナのワクチン接種が始まったとの朗報があったのに、コロナが再び勢いを増して、なかなか良化しないと少しばかりまた不安がよぎったりする。まして、感染力が強い変種と聞くと猶更である。

 

 

変化する季節

 気象庁が11月、「生物季節観測」を変更すると発表した。気象庁によると、今まで全国の気象台や測候所 58 地点で植物 34 種目、動物 23 種目を対象にして、開花や初鳴き等を観測していたというが、来年からは植物 6 種目を対象に 9 現象のみを観測するという。その理由は、近年は生態環境の変化があり、観測点において標本を確保することが難しくなってきていることによるだ。今までは、この観測発表で、季節の遅れ進み、気候の違いや変化を知ることができたのに少しばかり残念な気もする。

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 お天気キャスターの森田さんがこの変更について解説してくれている。Yahooニュースによれば、森田さんが気象庁に質問し、こんな回答があったという。

動物の出現が季節の変化を表していない

例えば水戸の例を見ると、ウグイスの初鳴きは2000年くらいまでは、暖かい年には早く鳴いたりしていたが現在は温暖化のせいか、むしろ遅く鳴く。トノサマガエルも30年くらい前までは気温との関連があったが、今はそうした傾向もみられず、ばらつきが大きい (出所:Yahooニュース) 

news.yahoo.co.jp

 

 ウグイスの鳴き声を聞けば、春だなと感じる、そうした風情を感じることもなくなってしまうのだろうか。

毎年うぐいすが「ホーホケキョ」と鳴く。

地域の子供たちは、そんなうぐいすを「春告鳥」と呼ぶ。 (出所:NEWSプストセブン)

 こんなところにも地球温暖化、気候変動の影響が出てきているということであろうか。

 

 

四季と文化

「俳句や教育、食にいたるまで私たちは四季とともに歩み、文化を形成してきた」とNEWSポストセブンはいう。

「かつて、日本人は食卓で季節を味わってきました。季節ごとの旬を大切にして、旬の食材に最も合う食べ方を追求してきたし、一年中ある食材でも、夏は冷奴、冬は湯豆腐にして食べるなどの工夫を重ねてきた。…(中略)… 食材だけでなく、夏はガラスの器で清涼感を表現したり、秋には紅葉の赤を添えたりするなど、器や盛り付けでも季節感を演出した。こうした繊細な感覚は海外では驚かれるものです」 (出所:NEWSプストセブン) 

こうした文化が四季の変化で衰退していく危惧があるという。 

その一方で、「四季の消滅で起こりうる文化の衰退より、もっと大きな危機がある」と、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室長の五箇公一氏が警鐘を鳴らしているとNEWSポストセブンが紹介する。

www.news-postseven.com

 それは「食糧危機」だという。「今後やってくる食料危機は生きるか死ぬかの大問題なのに、日本はあまりに無関心です」と指摘しているという。

 ご指摘ごもっともなのかもしれないが、強烈に危機感を煽るより、人それぞれかもしれないが、日本古来の風情や文化を大切にする方がいいのかなと思ったり。記事が指摘するように月見バーガーが登場して季節感を感じるのも現代かもしれないが、動植物、自然の移ろいから感じる風情を守っていければと思う。

 

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 変わる意識

 意識するしないに関わりなく、こうした変化を感じ取っているのかもしれない。

 

 

 

「コロナ以前にはそこまで感じられることがなかった“サステナビリティ”(地球や社会の持続可能性)への意識が高まっているようだ」と電通はいう。

「それは、人々がアフターコロナに期待する社会像にも影響を与えている」ともいう。

 今年10月に行った意識調査の結果からそう考察したようだ。

コロナ禍は、地球環境や社会問題は全世界が共有する課題であること、そして解決に向けた国際協調が必要なことを可視化しました。この経験により、今後、人々の視野は脱炭素や脱プラスチックなどの地球環境課題、またグローバルな人権問題などにまで、より広がっていく可能性があります。 (出所:電通報)

dentsu-ho.com

 足元では自分でコントロールできないコロナのような大きな変化が起きている。カーボンニュートラルもそうなのかもしれない。今までになかった価値観へと変わっていくと肌で感じとれば、漠然とした不安が生まれたりするのかもしれない。そうした不安が、人々の意識の変化を促してきたということであろうか。

 

マインドフルネス

 こうした時代であるからだろうか、マインドフルネスに注目が集まっているという。

 マインドフルネスとは、Wikipediaによれば、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」といい、その訓練として瞑想があるという。Wikipediaの解説は仏教の瞑想とかかわりを多く解説している。

 

 ギリシア神話にはカイロスという男性神が登場する。「機会(チャンス)」を意味する言葉を神格化としたといわれ、この言葉は「刻む」という動詞に由来しているという。

 Wikipediaによると、ギリシア語では、「時」を表す言葉にカイロスとクロノスの2つがあるという。カイロスは「時刻」を指し、クロノスは「時間」を表すという。クロノスが機械的な時間なのに対し、カイロスは、「一瞬」や人間の主観的な時間を表すこともあるといい、内面的な時間だという。

 そして、この神「カイロス」はある特徴をもった風貌をしているという。

彼の彫像は、前髪は長いが後頭部が禿げた美少年として表されており、「チャンスの神は前髪しかない」とは「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることは出来ない」という意味だが、この諺はこの神に由来するものであると思われる。 (出所:Wikipedia

  変化ということを思っていたら、こんなことを思い出した。

 その時々の「一瞬」、「刹那」に意味を持たせることができれば、そこから未来が開けていくのかもしれない。

 丁寧に暮らすということはそういうことなのかもしれない。

 

 「関連文書」

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