Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

新しいあたり前に 三越のリユース容器、伊藤忠のリサイクル素材に、社会の多様性

 

 業界紙 日本食品産業新聞社が「ペットボトル=悪なのか、飲料メーカー各社が循環型リサイクルを本格化」との記事を出し、「ボトル to ボトル」のリサイクルが広がっているという。

 記事は飲料メーカ各社の取り組みや動向を紹介し、「ペットボトルが「悪」ではなく、資源循環しやすい容器であることを証明できれば、アジアなどの各国に日本のリサイクル技術を伝達できる」という。

「実現すれば、世界で多くの人々が、安全で使い勝手がよく、安価に入手できるペットボトルを使い続けることができるだろう」という言葉で結ぶ。

www.ssnp.co.jp

 内容は別として、業界紙からもこうしたテーマの記事が出るということは、循環経済(サーキュラー・エコノミー)が浸透し始めてきているのかと感じる。

 

 

 

 リユース容器

 日本橋三越本店が、リユース容器を使った惣菜の販売を2月15日から始めている。 三越伊勢丹によれば、Loop Japanが進めている「Takeout Bento Project」に参画、2月28日までの限定での取り扱いのようだ。

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(写真:三越伊勢丹

日本橋三越本店の地下1階食品売り場に出店する中華料理<桂林プレミアム>と洋惣菜<サルメリア ガリバルディ>が対象だそうだ。
 三越伊勢丹によれば、リユース可能な容器で購入した場合は、デポジット代として330円が発生するという。空き容器を後日店頭で返却した際に、デポジット代分の優待券を入手できるという。容器は、ループ・ジャパンにより、回収・洗浄したのち店舗へ配送、再利用するという仕組みだという。

 都内の丸の内エリアや六本木エリアの特定オフィスの社員限定で始まったリユース可能な容器での弁当販売の三越版とでもいうべきものであろうか。

dsupplying.hatenablog.com

 どちらのプロジェクトも容器の回収・洗浄はLoop Japanが担う。リユース容器での販売が新しい当たり前になっていくのだろうか。定着し始めれば、 容器の回収も改善され、使い勝手がさらによくなっていくのかもしれない。

 

 リサイクル素材

 伊藤忠商事が、リサイクルナイロンブランド「ECONYL® (エコニール)」の製造元Aquafil S.p.A.(アクアフィル、本社:イタリア)と業務提携し、ナイロン廃棄物の回収からリサイクルナイロンの最終製品の開発、販売に取り組むと発表した。

 ECONYL®は、アクアフィル社の独自技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって再生されたリサイクルナイロン。不純物等が完全に除去され、バージン材と同等品質だという。原料となるナイロンは漁網やカーペットなどの廃棄物が利用されている。

 

 

 伊藤忠商事によれば、エコニールは100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減が可能だという。

 すでにGucci(グッチ)やBURBERRYバーバリー) 、PRADAプラダ)などのブランドでこのリサイクル素材が採用され、この他にもカーペット業界等を中心に全世界2000社以上の著名なブランドで採用されるようになっているという。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

エコニール技術を中心としたバリューサイクルの拡大に向けた今後の取り組み(伊藤忠商事

  • ナイロン廃棄物の回収(漁網、カーペット、廃棄衣料品等、国内含む全世界から回収)
  • エコニールの日本、アジア市場を中心とした拡販(ファッション分野等)
  • エコニールの新規用途開発(フィルム、自動車部材、漁網等)
 (出所:伊藤忠商事

www.itochu.co.jp

 「三方よし」を社是に掲げる伊藤忠商事のここ最近の動きが活発だ。総合商社の中で、早々に「脱石炭」に舵を切り、様々なサステナブルプロジェクトを立ち上げ、それを事業化する。従来のようなCSRの押し売りではなく、「サステナブル」が事業の中心にシフトしているように見える。そして、他の総合商社をしり目に業績を伸している。

 何かが新しい当たり前になっていくには、それを導く開拓者の存在が必要なのかもしれない。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 多様性

 経済同友会桜田代表幹事が16日の定例記者会見で、「生産性向上のための技術革新には人材の多様性が必要だが、経営者にはその危機感が足りない」と指摘したと共同通信が伝える。

 多様性を重視しない企業は「存続すら危うい」と警鐘を鳴らしたそうだ。 

this.kiji.is

 それによると、企業で女性の役員登用が進んでいない理由を問われた桜田代表幹事は「女性側にも原因がないことはない」とし、「チャンスを積極的に取りにいこうとする女性がまだそれほど多くないのではないか」との認識を示したという。

 桜田代表幹事が社長を務めるSOMPOグループでは、女性役員が増えるのを待つのではなく、実際増えるよう行動していると日テレBEWS24は指摘する。

 また、「ダイバーシティが進んでいる組織は業績がよいとの証拠を多く出していくことが日本の組織でのダイバーシティ促進につながる」との見解を示したそうだ。    

 当たり前のことに疑問を感じることで、変化は始まるのかもしれない。疑問や気づきを得るには、それ以前の経験や学習になる。

 自身で信じ込んでしまった既成概念が結構あったりする。自然は常に変化しているのだから、常識も常にアップデートが繰り返されているのかもしれない。自身で信じてしまった常識を疑ってみると、意外にモヤモヤが晴れたりする。

 今週には森会長の後任が決まるという。多様性に前進はあるのだろうか。

 

「参考文書」

www.news24.jp