「特急ロマンスカーにおける車内販売サービスは、3月12日をもって、全ての列車でサービスを終了させていただきました」と、小田急電鉄が発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になった2020年春以降は乗客が激減、比例して、供食サービスの利用者も減少したと、デイリー新潮はその理由を説明する。
「走る喫茶室」、小田急ロマンスカーでの車内販売サービスはそう呼ばれ、人気を博したという。その始まりは1949年のことだったそうだ。
時代の流れもあり、“走る喫茶室”は1995年にいったん幕を閉じる。
サービス終了後も走る喫茶室への要望は強く、小田急は2005年に新型ロマンスカーの登場と同時に走る喫茶室を復活させた。
そうした盛り上がりを見せたものの、再び2016年にシートサービスは終了してしまう。シートサービスの代替としてワゴンサービスへと切り替えたが、それも今年3月のダイヤ改正で終了が決まっている。
車内飲食は乗車前に駅弁などを事前購入するか車内に設置された自販機で購入するしかなくなった。 (出所:デイリー新潮)
ロマンスカーに乗ることも少なくなったが、少しばかり残念に思う。
その小田急が飲食・物販の新たなサブスクリプションチケット「EMot パスポート」を3月8日から発売を始めた。
小田急のMaaS アプリ「EMot」で購入可能で、小田急線のターミナル駅の「そば」、「おむすび」、「ベーカリー」、「カフェ飲食」、「フラワーショップ」の合計44店舗で利用できる30日間の定額制、サブスクサービスだという。
MaaS の実現により、多様なモビリティサービスを提供する「行きかた」だけではなく、「生きかた(ライフスタイル)」も提案していきたい。
そういう EMot のコンセプトから生まれた商品だと小田急は説明する。
ランチは毎日そばでもいいとも思えば、ありがたいサービスかもしれない。それに加え、カフェ利用もできるという。テイクアウトもできるというから、ロマンスカーの車内販売の代用にもなったりするのだろうか。
回数こそ少ないが日比谷花壇の生花を利用できるのは良いサービスと言えそうだ。
3月12日はこの他にも、新宿駅でペットボトル回収に関する実証運用も始まったという。
小田急線 新宿駅の6番線ホームにリサイクルステーションを設置、お客さまにキャップやラベルの分別回収に協力してもらい、「ボトル to ボトル」リサイクルに可能な状態での回収する狙いがあるという。
ペットボトルばかりでなく、燃えるごみなどのボックスも同じエリアに設置されれば、分別して捨てようとの意識の芽生えになるかもしれない。
実証を通して、より多くの再生可能なボトルの回収に必要な課題を抽出していくという。新宿エリアや小田急線沿線における展開を今後検討するそうだ。
JR東日本もエキナカの自販機横に設置されている回収ボックスのデザインを見直し、分別啓蒙・リサイクル推進を目的とした実証実験を3月下旬まで実施すると発表した。
回収ボックスには、ペットボトル・ビン・缶以外の紙カップやビニール袋などの一般ゴミが 30%以上含まれている場合があるという。
そのため、回収ボックスのデザインを変更した『リサイクルボックス』を一部の駅で設置、その他に回収ボックスに啓蒙ステッカーの貼付を行い、お客さまの分別意識向上による一般ゴミの混入抑止に効果があるかを検証するという。
物理的に捨てることができなくするより、小田急のように、利用しやすくし、その他ごみも捨てることができるようになれば、分別の啓蒙もできたりはしないだろうか。
悲しかな、捨てる場所がないと、「つい」ということが起こる。
綺麗にメンテされた「リサイクルステーション」であれば、それを汚そうとすれば、「良心の呵責」も起きたりはしないだろうか。まして人通りを多いところではなお更のような気がする。それが人の心理というものではなかろうか。
トヨタの生産方式では、まずは「5S」を学ぶ。
「5S」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」。
割に合わないと思うかもしれないが、回収ボックスの5Sを維持できるのはやはり設置業者だろう。それがきちん維持できるようになれば必然利用者も綺麗に維持しようとの意識が芽生えるのではないか。それが「躾」ということでもあり、「啓蒙」ということなのかもしれない。
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