Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

SDGsを読む 「誰一人取り残さない」~多様性と包摂

 

 SDGsが提唱される遥か前の1983年、ムハマド・ユヌス氏がグラミン銀行を創設し、貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資マイクロクレジットを始めた。2006年には、ムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞し、注目が集まるようになった。そんな頃だっただろうか、BOPビジネスということを知り興味を持った。

 

BOPとは

 BOP=Base of the Economic Pyramid、年間所得が購買力平価(PPP)ベースで、3,000ドル以下の低所得層のことをBOP層と呼び、世界の人口の7割、40億人の人々がこの層に含まれるとも言われる。これに対してピラミッドの頂点に属する年間所得が20,000ドル以上の人々は2億人弱と言われていた。それから時がだいぶ経つので、構成比率に変化があるかもしれない。

 JETROによれば、BOPビジネスとは、途上国のBOP層にとって有益な製品・サービスを提供することで、当該国の生活水準の向上に貢献しつつ、企業の発展も達する持続的なビジネスという。

 

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 興味あることに一意専心できれば、これほど楽しいことはないのかもしれない。しかし、現実にはなかなかそううまくいくことはない。必然なのか、自ら選んでなのか、遠回りを強いられるようだ。

 

 

 

 

「誰一人取り残さない」 SDGsの本質は、多様性と包摂性

 ある経営コンサルとベンチャーキャピタルから資金を得るにはをテーマにして会話したことがあった。そのとき、ミドリムシユーグレナ社のことがよく話題にあがった。なぜユーグレナユニコーンになったのか、そんな会話をしていた。

 ペインを明確に定義して、テクノロジーでいかに解決できるか、シンプルに言えば、そういことなのだろうけど、国内のVCもビジネスやっていることなので、興味があるテーマに差異があったりする。

 

  そんなときに、SDGsに出会った。国連で採択されて間もないころだった。世界のペインとしてよくまとまっていると素直に感じた。

 ただ17の目標がフラットに並んでおり、目標ひとつの相互関係が掴み難い。文章で書かれたアジェンダ全文を読むと、腑に落ちるものがあった。

「誰一人取り残さない」

その時以来、SDGsの本質は、多様性と包摂性だと理解し、169のターゲットもこれらに従って解決されるべきだろうと考えるようになった。

 

forbesjapan.com

  

 

 

 マレーシアに駐在し働いていた職場の環境が、多様性に興味をもつきっかけだったのかもしれない。様々な人種が働いていた。インド人の女性マネージャが仕切るミーティングは常に緊張感が立ち込めていた。目標達成に向けてみなの努力を集中させようとの姿に感銘した。品質担当の女性のプレゼンは説得力に満ち溢れ、欧米の顧客から関心を引き寄せていた。品質を担当する男性は緻密に品質マネージメントシステムを作り上げ、それを自ら実践しては、取引先を管理、良好な関係を作っていた。

 個々人をみるときは、人種とか、ジェンダーをカテゴライズして分析したりもするが、組織は、そうしたカテゴリーに縛られることなく、個々の能力を活かし運営した方が活気に満ち、意見に偏りがないことを肌感覚で学んだのかもしれない。

 日本に帰任した直後にはそのギャップに苦労もした。当時は男女雇用機会均等法が施行されたばかり、多様性を語るにはまだ早い時期だったのかもしれない。

 

 「多様性」をテーマにすることはなかなか難しい。センシティブな内容も多く、誤解を生みやすいのではとの思いをいつも抱えている。

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進まない政治の多様性 破られない「ガラスの天井」

 今日新しい内閣が誕生する。その前の総裁選で少しばかり気になることがあった。野田聖子稲田朋美の両氏が手を上げるか興味があった。両氏の標榜する政策とか人物像はあまり詳しくないが。

  メルケル独首相、アーダーン ニュージーランド首相、蔡英文総統、ここ最近注目を集めた人たちだ。そろそろ女性宰相が生まれてもいいのではと思ったりする。

 

this.kiji.is

 

 残念ながら今回は両氏とも立候補しなかった。野田聖子さんの言葉をロイターが紹介する。

 

だが、野田氏は過去2回の総裁選も出馬に意欲を示しながら立候補しなかった。ネックになっているのは、推薦人の確保など、男性が作り上げた既存の制度だけではない。女性がハードルになることも少なくない。

「天井は開いているんだけど、足を引っ張る人たちがいっぱいいる。ときにスカートはいた女の人たちも」──。ロイターの取材に応じた野田氏は、ガラスの天井を感じるかという質問にこう答えた。

50歳で生んだ障害を持つ子供がいる野田氏に対し、ネット上では批判が絶えないという。「障害を持った子どもがいるのなら子育てに専念しなさい」、「あなたが政治をやっているのはおかしい」。

野田氏は「(天井に)ぶつかっているというよりは、昇っていく途中で引きずり降ろされている感じ」と語った。

もし首相になったら何をしたいか。野田氏は「閣僚の半分を女性にする。民間の女性も活用し、まず見た目を変えること。そこからまず始められるかな」と即答した。 (出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

 

 

 ブルームバーグは、前の政権が女性の活躍を推進する「ウーマノミクス」を掲げたが、後継を選ぶ舞台に上がることができた女性は一人もいなかったと指摘する。

 残念と感じる。「ガラスの天井」を突き破る人が登場して欲しい。新しい内閣での進展を期待したい。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

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「参考文書」

www.asahi.com